EVENT REVIEW

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2005.12.23.sat LIVE NINES at 渋谷屋根裏

色とりどりのイルミネーションとしあわせそうなカップルたちで彩られ埋め尽くされる街、渋谷。
クリスマス・イヴ前夜、都内屈指の老舗ライブハウス渋谷屋根裏にて、nines主催のイベント「Live!nines」が盛大に行われた。 
過日、西麻布のクラブstudio COLORSにて前例のないイベントを成功させた彼らが第二段としてブチかましたのは、
全編バンドだけのイベントだ。
クラブには馴染みのある筆者も、ライブハウスに足を踏み入れるのは何年ぶりだろう。

こういう場をあえて用意してくれるのもninesのおもしろいところだ。スペイン坂を登りきったところで、
パルコのサンタを横目に通り過ぎ、含蓄がある看板「渋谷屋根裏」の文字に圧倒されながらも、階下へと歩を進めた。
中は既に照明が落とされ、低く重いビートが鉄の扉の奥から湧き出るように洩れ出ている。
ギイイと扉を開けると、そこにはまだまばらなオーディエンスが身体を音に乗せている。
思いの外、バンドはまだ出演していないようだ。フロアにはバンドが出演前に流すいわゆるSEではなく、
どびきりおしゃれでPOPなフレンチハウスが大音量でかかっている。数々の強面バンドを排出し続けているロックの聖地渋谷屋根裏で、

まさかフィルターのかかりまくったハウスミュージックで踊れるとは思わなかった。
ステージ横に用意されたスクリーンには、ninesロゴや九州の映像をフィーチャーしたVTRがループで投影されている。
脇に目をやると、サンタの衣装に身を纏った例のnines girlsが、今回も現地直送の焼酎をディスプレイしていた。
キャンドルに照らされた黒霧島の一升瓶は、その辺の高級ワインボトルに見劣りしない黒檀の輝きだ。
否が応でも、今日のイベントへの期待感が醸成される。

そうこうしているうちに、ファーストステージを飾る「BLUE SUGAR SPIRITS」が登場。
剥き出しの感情と衝動という言葉に相応しい、耽美なアクトを見せ付けられる。飄々とした女性ボーカルが吐き出す、
ずっしりとした言葉に90年代を駆け抜けたオルタナティブロックの音魂がすべるように寄り添ったかのようだ。
1バンド目という気負いを微塵も見せない、堂々たるライブを見せていた彼女たち。そのポテンシャルは未知数のように思えた。
次に登場したのは、お揃いの衣装でキメた「Sound Sounds」
ハイテンションなVo.と親しみやすいメロディーに目と耳を奪われるが、彼らはまさにThe Beach Boys の正当な継承者であった。

一見、THE BEATLESを思わせるいでたちではあるが、サウンドはウエストコーストロックそのものであり、
現代に語り継がれる名曲「Fun Fun Fun」を思わせる唯一無二のメロディーセンスには、舌を巻いた。

転換中のVTR(ex.DJ Shadow vs Cut Chemist)に見惚れていると「Bottleneck Jazzy A.M.」が闇を切り裂くように音を掻き鳴らした。
楽しさ、淋しさ、積み重なる想いを感じさせてくれる詩とメロディ。それぞれの音が絡み合って生まれる刹那さ。
今は亡きNumber Girlに代表される九州ROCKsを背負った彼らの音に、オーディエンスは的確に反応していたのを忘れない。

大声援と共にステージに現れたのは「CROWDY」
高校の時よりVoとGtによって母体ができた彼らは、正統派ハードロックを踏襲しながらも
Rage Against the Machineに通ずるヘヴィロックな一面を垣間見せる。
高い演奏スキルに依拠しないステージングは観る者を圧倒するに留まらず、投げかけられる熱く優しいメッセージはフロアを包んだ。
彼らがステージを降りたあと、どこからともなく惜しみない拍手が起こった。

しばしのMCを挟み、満を持して登場したのが「payan payan」だ。
本日のメインアクトとすら囁かれていたベテランバンドがついぞ登場。
カリスマVo.マーボ率いる彼らは、テクノ、ヒップ・ホップ、ハウス等、代表的なダンス・ミュージックのジャンルを下地に、
シタールや”能”な ど民族音楽を取り入れ、未体験の音楽効果を産み出し続けている。のっけからハウスビートに乗せて、
攻撃的ラップが畳み掛ける。フロアの温度は一気に急上昇。最前列は全盛期の新宿リキッドルームを彷彿とさせる揺れ、揺れ、揺れ。
SOUL SONIC BOOGIE的ディスコノリがあったかと思えば、「ミュート」「ディレイ」「リバーブ」を巧みに駆使したダビーなサウンドが

浮遊感を演出。最年季バンドpayan payanは、さすがのスーパーアクトを魅せた。

ラストを飾ったのは「大和」前代未聞の「三線パンクロックバンド」として東京・下北沢を拠点に全国で活躍している彼ら。
ボーカリストの俵積田等が沖縄の伝統楽器・三線をはじめ、ギターやブルースハープなどを駆使する個性的なバンドで、
先日、事実上の解散となったザ・ハイロウズのオープニングアクトを務めた経歴も持つ。
今イチバン勢いがある大和らしいパンクロックが、僕たちの中の何かを変えていく。忘れていた何かを思い出させる。
RAMONES〜NOFX的な革新性を内包し、今日に至るロック史に明確なエポックを残す彼等のオリジナル・パンクが最後に大きく炸裂した。

僕らは、今日観た出来事を忘れやしないし、彼らも忘れることはできないだろう。総勢100名のオーディエンスもninesの一部となった。
今日がクリスマスイヴ前夜だってことはどうでもよくなった。いつだって僕らは、ロックフェスという大イベントの渦中にいるんだ。
恒例となった振る舞い焼酎を片手に会場を去るとき、ninesスタッフに次回のことついて尋ねた。彼らは一同にニヤリと微笑み、
ただ「期待は裏切らない」とだけ告げた。
2006年3月4日。恵比寿MILKが彼らの大舞台になることは必至だ。

文:北崎 幸一

写真:山下 紀美子

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[2006.03.04]
Club nines vol.2 恵比寿MILK
[2005.12.23]
niens LIVE vol.1 渋谷屋根裏
[2005.11.26]
Club nines vol.1 COLRS STUDIO (西麻布)